9月15日放送
『なかじましんや 土曜の穴』のゲストは
ホラー作家の 平山夢明さん。
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平山さんはホラー映画のビデオ評論や
実話怪談などの
執筆活動を経て、小説家デビュー。
短編
『独白するユニバーサル横メルカトル』
で日本推理作家協会賞短編賞、
『ダイナー』で日本冒険小説協会大賞、
大藪春彦賞を受賞するなど
その独創性豊かな作品が
高い評価を集めています。
今年7月には恐怖について徹底考察した
『恐怖の構造』が発売されました。
放送では「恐怖」についての
素朴な疑問にお答えいただいたほか、
おすすめのホラー映画を
ご紹介いただきました。
■ 『恐怖』の捉え方に違い ■
日本と海外とでは"恐怖"の捉え方に
違いがあるという平山夢明さん。
海外では、日本のような
「ゴースト(幽霊)という
概念がない」そうです。
(平山)「外国のもの(ホラー作品)は
【恐怖】を"直接"
売るものが多いんです。
だから"物体"なんですよ。
ゾンビだとか人形だとか。
日本は
『怪談』じゃないですか。
『怪談』は【恐怖】より
【不安】なんです。
"影がサーっと通る"とか
"変な音がする"とか。
その差は大きいと思います」
怪談の中で幽霊が首を絞めるなど、直接
人を殺めることはほとんどないそうで、
死の描き方で多く見られるのは
不安に駆られた人間が
転倒するなどした結果、
命を落としてしまう――といったもの。
(平山)「向こうは"直接"来ますから」
(中島)「幽霊は、ぶったりしないわな」
■ おすすめホラー映画 ■
映画にも詳しい 平山さんに
おすすめのホラー映画を2作品
ご紹介したいただきました。
◆【ザ・フライ』(1986年)
デヴィッド・クローネンバーグ監督。
『ハエ男の恐怖』(1958年)の
リメイク作品。
主人公の科学者が人体実験の
アクシデントによりハエと融合。
ハエ人間に変貌して行くSFホラー。
(平山)「昔(ハエ男の恐怖)は
頭についてたじゃないですか、
ハエが。
(ザ・フライは)人間の
遺伝子の中に入っていくんで
体が徐々に変化するんですよ。
それが
すごくリアルで怖いんです」
次第に人間らしさを失う主人公と
彼を想い続けながらも苦悩を抱く
恋人との関係はどうなるのか・・・
(平山)「良質の恋愛映画としても
見れるんですよ」
◆『シャイニング』(1980年)
スタンリー・キューブリック監督。
雪に閉ざされた山のホテルに
管理人としてやってきた小説家と
その家族。
しかしそこは前任者が家族を惨殺した
いわく付き物件で・・・
小説家の男は作品が書けない理由を、
家族やホテルのせいにして
「どんどんおかしくなっていく」・・・
(平山)「お父さんがモンスターに
なっていくんですけど、
人間が正常域から、だんだん
おかしくなっていくというのを
ここまで徹底的にやった映画は
ちょっとなかったんですよね」
■ 平山夢明さんの著書 ■
■『恐怖の構造」』
(幻冬舎新書/780円+税/2018年7月発売)
詳しくは こちら
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