1月13日放送
『なかじましんや 土曜の穴』のゲストは
サウンドアーティスト/音楽作家の
清川進也さん。
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清川進也さんは
環境音を使って楽曲を作り上げる技法で
広告作品を中心に、形にとらわれない
様々な音楽表現を行なっています。
2011年制作のNTTドコモのCM
『森の木琴』では、世界最大級の広告賞
カンヌライオンズで金賞を受賞。
大分県別府市の『湯~園地計画』では
総合プロデュースを担当。
清川さんに
作品の制作舞台裏などを伺いました。
■ 森の木琴 ■
世界的に高い評価を得た「森の木琴」は
間伐材のヒノキを
ケータイのボディに使った
NTTドコモ「TOUCH WOOD」のCM。
間伐材で作られた楽器を
森の中で演奏するという企画で、
山の斜面に沿って
45m の木琴 を
階段状に、一直線に設置。
上から転げ落ちる木製の"玉"が
音(バッハの『カンタータ』)を奏でました。
森の中に設置した"木琴"は
湿度によって音程が変わってしまうため
調律に苦労したそうです。
(清川)「乾燥して音程がすぐに
変わっちゃうんですよ。
その細かい調整を何度もやって
本番に挑んだ作品ですね」
完成直後は、東日本大震災の影響により
テレビでの放送は一度だけでしたが、
動画サイトで数多く再生され
大きな反響を呼びました。
(中島)「震災の想いと一緒になって
心に響いてくる
作品なんですよね」
(西川)「(木琴以外の)自然の音も
生の音ということですか?
ちょうどいいところで
小鳥が鳴いてましたね」
■ シンフロ ■
清川さんの代表的なお仕事のひとつ
「シンフロ」――『湯~園地計画』。
温泉で
シンクロナイズドスイミングをする
大分県のPR動画が、大きな話題に。
"シンフロ"の映像も見事ですが
奏でられる音楽も、
清川さんの渾身のメロディ。
大分県中の環境音 を集め
その環境音を組み立て
滝廉太郎の『花』が奏でられました。
『花』のメロディを構成する
"環境音"とは・・・
唐揚げを揚げる音、祭太鼓、
バス、信号、機関車、
犬、高崎山のサル、イルカショー、
高校の吹奏楽部、釣り人、
スナックのママの投げキッスなど。
(清川)「まんべんなく県の中の
いろんな場所を回るから
4か月くらいかけて
大分県中をいろんな音を探して
自分でやりました(笑)」
ウェブ配信が中心だったため
『あれ?今の音、何だ?』と思えば
すぐに、聴き直せるのも特徴でしょう。
(中島)「種明かしも含めて
企画力やと思いますね」
放送でも音声をお聴きいただきました。
(中島)「音だけで聴いても楽しいね」
■ 音楽と エピソード ■
インターネットの普及、
音楽配信などの広まりにより
音楽が聴きやすくなった一方で、
一曲一曲を大切に聴くスタイルは
減少しつつある――と
感じている清川さん。
(清川)「その曲にちゃんと
エピソードがあることによって
聴く人が"自分事"にして
大切に聴いてもらえるな――
と思うと
やっぱり音楽を作るのには
僕は【エピソード】が大事だと
思っているんですね」
(中島)「たしかにあるな。
聴いてる側もね
【この曲は振られたときの曲】
――と、物語が永久に
残っていくわけなんですよね」
音楽作家として
今後取り組んでみたいことは・・・
(清川)「エピソードをたくさん
盛り込んだ音楽作品は、
究極なところまで
追いかけてみたくて、
その究極は"無音"――。
"無音"も、リズムとしては
"空白のリズム"ですから
あれも音楽なんですよね。
たくさん音楽を添えた
【音のない音楽】とか――、
そういうことまでいけると
音楽作家としての
集大成みたいなものが
作れるかなと思っています」
■ 清川進也さんの活動 ■
清川進也さんの最新情報は
清華清川清川進也の
ウェブサイトをご覧ください。
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