5月6日のゲストは
俳人の星野高士さん。
♪♪ ポッドキャストで聴く ♪♪
曾祖父は俳人・高浜虚子、
祖母は星野立子さん。
母・椿さんから受け継いだ
俳句雑誌『玉藻』を主宰され
『鎌倉虚子立子記念館』館長を務める
星野高士さんは、しんやさんの
20年来の俳句の先生でもあります。
この日は、星野さんに
しんやさん、西川文野アナが作った
俳句を講評していただいたほか
これから俳句を始める方への
アドバイスなどを伺いました。
■ 偉大な曽祖父の存在 ■
高浜虚子が曾祖父であることの
プレッシャーが
「心地良い」と語る星野高士さん。
(星野)「こんな心強いものはないな、
という感じがしまして。
あまりにも偉大なんで、
『超そう』ということも・・・
ちょっとあるんですよ。
降参したわけじゃない。
降参したわけじゃなくて
やってるんだけど、
それが楽しい、という」
■ 17文字のスペクタクル ■
なかじましんやさんが好きな
星野高士先生の作品をご紹介。
目の前を よぎりし蝶の もう遥か
ゆっくり飛ぶ蝶々が、もう遥か先――
まるで瞬間移動したかのような
意外な、蝶の飛ぶ速さは
日常生活で
「もうこんな時間?」と感じることにも
通じる――といえそうです。
(中島)「こんな壮大なスペクタクルが
17文字に、蝶で作れるのか」
星野さん、しんやさんは
読み返すたびに、
好きな句が変わることがあるそうです。
(星野)「それはね、
作っているほうは
あまり変わらない。ところが
読んでる側が変わるんですね」
年齢や経験を重ねてから、
あらためて読むと
感じ方が変わる――という点も
俳句の魅力のひとつでしょう。
(星野)「読んでるかたが
いろんな経験をして、
いろんなことをやりながら、
そしてまた、もう一度見ると
今の自分とフィットする――
だから"変わった"ように
見えるんだろうと思うんです」
(中島)「17文字が、ビジュアルと時間と
空間を作る。
それから先生の句は
カッコいいなと思って」
(星野)「『カッコいい』というのは、
俳句では
なかなか言わないですね。
それ、嬉しいですね」
(西川)「星野さんがご覧になった光景、
空間なのに中島信也さんも私も
年齢も性別も違うのに
共感できるところが
すごいですよね」
(中島)「共感もできるし、勝手に描く」
(星野)「嬉しいなぁ」
■ しんや・あやのの俳句 ■
しんやさん、西川文野アナの二人が
【新緑・夏場所・豆ごはん】の季語で
それぞれ俳句を作りました。
球場で 新緑見てたら 先制点
(あやの)
☆野球の白球、球場の人の表情が見える
★「野球をちゃんと見て」と言いたい
夏場所へ 会えた嬉しい ケンシロウ
(あやの)
横綱・稀勢の里関に漫画『北斗の拳』の
キャラクターを描いた
三つぞろいの化粧まわしが贈られ
太刀持ちを務める高安関は夏場所から
ケンシロウの化粧まわしを使用予定
――と聞いての一句。
(西川)「最近は
そんな楽しみ方もあるのか、
細かいところまで
楽しみましょう、と」
☆素直でいい
★散文のようで、切れがほしい
豆ごはん 半分盛ってを 三回目
(あやの)
(星野)「お替りってことね?」
(西川)「4膳食べてます」
☆おいしそうな苦
★長い(字余り)
(西川)「基本的に否定しないところが
本当に素敵です。
ありがとうございます」
新緑の 先を行く我が 師の背中
(しんや)
(中島)「これは挨拶句です。
先生、講評は結構です。
だって怖いもん」
夏場所の 真上の空に 金の星
(しんや)
(中島)「きんせい と きんぼし――。
夏場所って(結びの一番の頃)
まだ、真っ暗で
やらないじゃないですか」
豆飯の 味引き継がぬ 義理の姉
(しんや)
(星野)「3句の中で一番いいです」
■ 俳句の楽しみ方 ■
これから俳句を始めるかたへ
星野高士さんに"楽しみ方"の
アドバイスをいただきました。
(星野)「俳句って自己表現ですから、
それを文字で書く、
それも制約された17文字と
季語・季題というものを通して
自分の今というものを表現する
自分の唯一のアピールに
つながるんじゃないか――
それをみんなが喜んでくれる
こともあるんで。
それをぜひ、広めて
やっていただきたいですね」
■ 星野高士さんの最新情報 ■
星野高士さんの最新情報は
俳句 玉藻 星野高士「無尽蔵」の
サイトをご覧ください。
鎌倉虚子立子記念館のウェブサイトは
こちら
■ ♪♪ ポッドキャストで聴く ♪♪
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星野高士先生が西川文野アナの俳句を
添削してくださった模様は
ポッドキャストでお聴きください。