12月10日のゲストは
特殊メイクアップアーティストで
株式会社メイクアップディメンションズ
代表取締役の江川悦子さん。
一般の人にはあまり知られていない
奥深い特殊メイクアップの世界について
伺いました。
■ あれもこれも、特殊メイク! ■
江川悦子さんがこれまで30年間に
手がけられた作品は、テレビ・映画・
CMなど、約1,500作品。
その種類は、老けメイク、
痩せた人をポッチャリ体型に――、
髪の毛がある人を、ないように――、
傷・火傷、死体、ゾンビ、宇宙人など
多岐に渡ります。
映像のプロ・中島信也さんも
驚いたのは
竹中直人さんが出演するCM
久光製薬「ブテナロックVアルファ」の
「竹中7人・一新」篇。
竹中さんが7人登場しますが、
本人のほか6人は合成ではなく
特殊メイクでした。
粘土で竹中直人さんの顔の造型を作り
型をとってラバーを流し
マスクを量産。したそうです。
(江川)「シンデレラの靴じゃないけど
このマスクに合う人を
キャスティングしていただいて
――という感じです」
(中島)「普通、企画を見せられたら、
まず『合成』を
考えますけどね。
逆に『特殊メイクにしよう』
というのが
クリエイティビティがあって、
いいなと思いますね」
ほかにも・・・
◆『おくりびと』の遺体はダミー人形
映画『おくりびと』では
遺体のひげを剃るシーンがあり、
人の演技では、動きを完全に
止められないために用いられた手法。
ひげを顔に1本1本 差し込むという
細かい作業を行い撮影されました。
◆『旭山動物園物語』のゴリラはスーツ
映画『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』の
ゴリラは、人が入るスーツでした。
◆ケガをした動物、死骸は造型
動物が登場する作品で
ケガや病気で病院に運ばれるシーン、
死骸の登場するシーンは造型を利用。
■ 江川さんの嘆き・・・ ■
(江川)「一見、特殊メイクの
なさそうな作品に関わることが
多いんですよ」
狼男やゾンビなどよりも
特殊メイクを施す機会が多いのは
老けメイクや、ケガ・傷、坊主頭など。
坊主の特殊メイクがうまくいくと
視聴者には"俳優が頭髪を剃った"と
受け取られてしまうことも多いとか。
(江川)「クレジットタイトル見るまで
特殊メイクがあったかどうか
わからない――
ちょっと寂しいような・・・」
■ 江川さんの喜び ■
この仕事で、嬉しく思うときは
俳優の方が(老けメイクで)
「老けた感じがオヤジに似てきた」と
言ってくれたり、
他の人から「剃ったんですね」と
言われた――と報告してくれたり、
あるいは「アレ、作り物だったの?!」
といった声を耳にした時。
「良かった!超嬉しい!」
――と感じるそうです。
■ 意外な『資料』 ■
ケガ・傷を表現する際に参考にするのは
医療用の資料などのほか、
スタッフがケガをした時に
自発的に撮影した患部の写真。
(江川)「『経過』も
ちゃんと撮ってくれます。
2日後、3日後、と
変化がわかって、
そういう作りもできる」
■ 江川悦子さんの最新情報 ■
■『江川悦子の特殊メイクアップの世界』
(主婦の友社/2,300円+税/2016年10月発売)
詳しくは こちら
■<江川悦子さんの特殊メイク作品
■NHK 新春ドラマ『富士ファミリー』
(片桐はいりさんの老けメイク)
■映画『忍びの国』(来夏公開予定)
(大野智さん、石原さとみさん、忍者たちの傷メイク)
■SEKAI NO OWARI
DJ LOVEさんのマスク
江川悦子さんの最新情報は
江川さんが主宰する
株式会社メイクアップディメンションズ
のサイトをご覧ください。
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