この日のゲストは
中島信也さんの先輩、
武蔵野美術大学 彫刻科出身で
彫刻家としても活動されている
俳優の六平直政さん。
美術大学受験と一浪して
予備校通いからのムサビ合格――
そして"透明な髪型"と
共通点の多い
六平さんと中島さんによる
美大/予備校トークに始まり、
彫刻家を志していた六平さんが
23歳で芝居の道に進んだ時のこと、
数多くのアルバイトをしながら
役者を続けていた時代から
脱却したきっかけについて、
そして、今後放送・公開される
作品での役どころなどを伺いました。
■ 彫刻家志望から 俳優へ ■
(六平)「本当は彫刻家で
やっていきたかったけど
彫刻家は食えないでしょ」
劇作家・演出家で俳優の
唐 十郎さんが主宰する
アングラ演劇ブームを支えた
「状況劇場」の公演に足を運び
感銘を受けた六平直政さん。
スタッフ・キャストの
募集広告を目にすると
鉄彫刻の腕、溶接の資格を活かし
「舞台美術をやりたかった」と
応募すると、見事合格。
(六平)「案の定、テントの杭とか
鉄でしょ。
その修理ばっかりやらされた」
(中島)「劇団員が手作りで
小屋を建てるんですよね」
やがて「カチンときた」六平さんは
2年目に逃亡。
それを連れ戻したのが
金守珍(キム・スジン)さん、
佐野史郎さんでした。
1987年には、金守珍さんと共に
劇団「新宿梁山泊」結成。
その後、中島さんは、
演劇好きの知人に誘われ
「新宿梁山泊」の舞台を鑑賞すると
(中島)「初めて観てビックリして
唐さんのお弟子さん筋の
人が作った劇団から
アンダーグラウンドン世界に
(触れるようになった)」
■ 役者一本に ■
(六平)「劇団に入ってから
ずっとバイトですよ。
250種類くらいやりました」
(中島)「商業演劇じゃない方々は
一種の芸術活動なんですよね」
別の仕事しながら
芝居を続けるケースが多い
役者の世界――。
六平さんもそのお一人でした。
お化け屋敷の人形作り、
高速道路のどぶさらい、
さらには
石原裕次郎さんのお葬式や
郷ひろみさんの結婚式での
会場設営の仕事もお務めに。
(六平)「パネルを立てたり、
要するに大工さんです」
34歳の時――
1991年公開の映画
『ラスト・フランケンシュタイン』で
共演した柄本 明さんとの縁で、
「劇団東京乾電池」の事務所所属として
俳優業に専念することとなりました。
(六平)「35歳からなんとか
食えるようになった・・・」
俳優として"売れる"確率は
「宝くじに当たるのと同じくらい」
と言われているそうです。
(六平)「ハンサムだって売れない、
美人だって売れない、
顔が悪けりゃ、もっと売れない。
何が売れるか
わからないわけよ」
そうした中でも
六平直政さんは
映画だけでも100本以上、
テレビドラマはその何倍もの
作品に出演されています。
(六平)「運がよかっただけですよ」
■ 司会 / ドラマ・映画 ■
六平さんは2014年4月から
司会にも挑戦中。
◆『THE 歴史列伝 ~そして傑作が生まれた~』
(BS-TBS/毎週金曜よる10時)
"傑作"――芸術作品を生み出した
人間の物語に迫る番組で
案内人をお務めです。
(中島)「役者さんにとって
司会の仕事というのは
どうなんですか?」
(六平)「勉強になりますね。
"柴田勝家"の時は
(ドラマで演じた)
柴田の気持ちで参加します、と。
そうすると(ゲストの)
学者の人も喜んで。
だから、役者の
目線・立ち位置の司会ですね」
◆『最高のオヤコ』(TBS系)
(2016年1月10日(日)放送
藤山直美さんと仲里依紗さんが
オヤコを演じるドラマ。
(六平)「これは面白いですね。
私は40年くらい藤山直美さんに
ずっと恋してるスーパーの社長で、
私もたくさん出ます。
泣けるし笑えるので
ぜひ観ていただきたいです」
◆映画『後妻業の女』
(2016年8月27日公開/全国東宝系)
大竹しのぶさん主演
鶴橋康夫さん監督
(六平)「大竹しのぶさんが
男をだます役で、
最初に騙されて
死んじゃう男の役です。
だから映画館で頭から観ないと
俺に会えませんよ」
コワモテだけど話すととても面白く
髪型も似ている――
武蔵野美術大学
先輩(六平さん)後輩(中島さん)の二人が
ラジオ番組で共演を果たした
記念すべき一日となりました。