この日のゲストは
フードコーディネーター
シズルプランナー
料理スタイリストの
森沢のり子さん。
中島さんもCM撮影で
何度もお世話になっており、
放送では、森沢さんのお仕事内容のほか
中島監督のCM撮影現場での
印象も伺うことができました。
■ おいしさ表現 シズルカット ■
テレビ番組の「美術デザイン」の仕事から
"フードコーディネーター"へ
転向された森沢のり子さん。
かねてから美術スタッフとして
「テレビの中の料理はナゼ
美味しそうに見えないのか?」
と疑問を抱いていたことや
元来、食べることが
大好きであることから
食を表現するプロの道へ。
CM撮影現場を中心に活躍され
その道42年の大ベテランです。
「香り」と「味覚」が伝わらない
CMで「おいしそう」と
思ってもらうために
"肉がジュ~と焼ける"
"シチューがトロ~リ・・・"といった
「シズルカット」と呼ばれるシーンが
描写されます。
時間にして15秒のうち1~2秒程度。
(森沢)「2秒に身を削る仕事です」
シズルカットは
全体の最後に撮影されるそうですが
そのワケは、
朝までかかることも珍しくないため。
(中島)「コントロールできない領域、
"熱"に対するスープ(の湯気)と
自然現象が発生するので」
一瞬のOKシーンのための撮影は
長丁場となる上、
その準備のため森沢さんは
前日から現場入りするそうです。
(中島)「2秒のために
48時間以上かけている。
(材料を)買うところからすると
もっとかけてますよね。
そういうプロです」
■ シズルカット撮影テクニック ■
最も難しいシズルカットの撮影は
「シンプルな具のお味噌汁」。
味噌汁の撮影での見せどころは
◆湯気がたちのぼる
◆味噌が下からわいてくる
◆具が浮いている
この中で難しいのは
具を浮かせること。
「ワカメ」は沈んでしまったり
思い通りに浮いてくれなかったり
「どうしても言うことをきかない」
具の筆頭。
そこで森沢さんは
『剣山』を使って
この難題を乗り越えました。
剣山を
ワカメの面積よりも小さく切り、
下に鉛を取り付け
(剣山自体がひっくり返ることを防ぐ)
これにワカメをのせることで
味噌汁の中でただよう
"シズルカット"の撮影に成功★
なお、現在は
「塩」を使うそうです。
(森沢)「"比重"ですね。
減塩味噌汁に
やたら塩を入れて
撮影してるんです」
(中島)「メチャメチャな苦労が
各カットにあるんです」
(小尾)「そんなご苦労が
たくさんあったなんて」
■ 中島さんは こわい監督?! ■
CM撮影現場の中島さんは
森沢さんから見て、どんな監督??
(森沢)「本音です。
こわい です。
ギリギリのところまで
追いつめられるから。
あと、任せてくれるんです。
プロをちゃんと
プロと認めてくれる――
そういう人は意外と少ない」
撮影のための料理・食べ物、
シズルカットなど
細かく指示を出す監督の場合、
「楽だと思うけど、自分が
やってる気がしない」のだそうです。
一方、中島監督は
「料理」なら"フードコーディネーター"
「洋服」なら"スタイリスト"に対し
CMのストーリー・登場人物の
バックグラウンドを説明し
『この話(状況)だったら、コレだ』
という案を出してもらうところから
任せる方針。
たとえば・・・
若い女性が集まるパーティーシーンに
"(こういう)子達が
集まっている" ならば
(こんな)お皿を使い
(こんな)料理を作る・・・
と森沢さんが空想して
準備を整えます。
(森沢)「一からやらせてもらえるのが
こわいけど楽しい」
森沢さんに対して100%の
信頼を寄せている中島監督は
かつて、3日前に発注をし、
5分程度の打ち合わせで
撮影にのぞんだこともあるそうです。
(森沢)「『任せるからやって』って
中2日しかないんですよ」
■ 森沢のり子さんの最新情報 ■
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11月21日・28日・12月4日(各土)
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森沢のり子さんの最新情報は
森沢のり子 Websiteをご覧ください。