この日のゲストは
フィジカルトレーナーの
中野ジェームズ修一さん。
メンタルとフィジカルの両面を指導する
独自の方法で
卓球の福原愛選手、
テニスのクルム伊達公子選手など
多くのアスリートから信頼を集め、
今年の箱根駅伝で優勝した
青山学院大学陸上競技部の
フィジカル強化を
担当されたことでも有名な
中野ジェームズ修一さんに、
運動嫌いの方への指導方法、
"体幹トレーニング"の誤解――
などについて伺いました。
また、今問題視されている
"ロコモティブシンドローム"
(運動器症候群)の対策として
簡単にできるチェック法を
スタジオで実践すると
衝撃の結果が・・・
(記事の後半でご紹介します)
▲楽々と立ち上がる中野さんに対して・・・
■ 「他人と過去は変えられない」 ■
『他人と過去は変えられない。
自分と未来は変えられる』
トレーナーとしての
指導法を模索する中で
心理学を学ばれた
中野ジェームズ修一さんが
衝撃を受けた言葉――。
クライアントに
「朝食」のメニューを尋ねた時――
かつて(心理学を学ぶ前)は
(たとえば)
「なぜ朝、菓子パンを食べるんですか?
朝はご飯を食べてください」
という指導法だったそうですが
心理学を学んでからは・・・
「メニューをご自身でどう思いますか?」(中野)
「朝から菓子パンはまずいですか?」(クライアント)
「何になら、自分で変えられますか?」
「コンビニのおにぎりでもいいですか?」
クライアントが
自分自身で問題点を考え、
自ら行動を起こすことで
改善に向かうようになりました。
(小尾)「それなら、おにぎり食べます」
中島さんは小学生時代
「体育」が嫌いだったそうですが
思い返せばそのワケは
「命令され、競争させられてる」
感じがしたから。
『他人と過去は変えられない』
運動だけでなく
仕事や教育にも活用できそうです。
(中野)「クライアントが自分で考え、
自分で行動を変えようと
キッカケを作ることが重要」
■ 青学指導と 体幹トレ ■
中野さんが2014年から
青山学院大学 陸上競技部の
フィジカル強化を担当すると
アオガクは今年2015年の
箱根駅伝で総合優勝を達成!
中野さんははじめに
トレーニングや
ストレッチのメニューを確認。
しかし、チームが独自に考えた
トレーニングは、
本やインターネットなどから集めた
情報をもとに組み立てられていました。
(中野)「でも、私から見ると
長距離の選手には必要なくて
サッカーだったらいいよな
というメニュー(だった)」
サッカーのように相手選手と
ぶつかる(接触する)ことが
多い競技の場合と
陸上の長距離とでは
体幹トレーニングのメニューが
全く異なるそうです。
指導はやはり、自分で考えさせます。
「この動きには、どの辺りの筋肉が必要?」
↓
「どうしたら鍛えられる?」
すると、さすがは青学生。
次第に「答え」に近づきます。
(中野)「そうすると
『これをやれば強くなれる』
と思う――という風にして
教えていくんです」
(中島)「ワークショップですね」
「体幹」についても
わかりやすく説明していただきました。
肋骨と骨盤の間は
"空洞"になっていて
筋肉で覆われています。
肋骨が骨盤までつながっていれば
体は安定しますが、
"空洞"があることによって
ブレてしまいます。
そこで、周りの筋肉を強くして
体幹=体の軸が
ブレないようにすることが
(ざっくり言うと)
体幹トレーニング。
■ ロコモ対策トレーニング ■
「運動は絶対に
しなくてはいけないです」
ロコモティブシンドロームとは
運動器が衰えることで
近い将来、要介護になる危険性が
高い状態を指し、
40歳以上の「5人に4人」が
ロコモ予備軍と言われています。
(中野)「寿命が延びても
自分で自立した生活ができない。
今から筋肉を作っておきましょう
――というのが
ロコモティブシンドロームの
政策です」
放送では、ロコモ予備軍かどうか
簡単にチェックできる方法を
ご紹介いただきましたが・・・
小尾渚沙・25歳――
ひとりでラーメン店の行列30分にも
耐えられる(関係ない?)
小尾ちゃんに
ロコモ予備軍の疑いが!?
◆ ロコモ予備軍チェックの手順 ◆
イスに浅く腰かけ
背筋を伸ばし
両手を胸の前で交差する。
利き足を床につけて
反対の足を前に出し床から浮かす。
このまま、バランスを崩さずに
片足で立ちあがる――。
(小尾)「ふぇっ?!ふぇーーっ?!
立ち上がれない・・・
私まだ25なんですけど?!」
(※)本来、20代の場合は
もっと低い椅子で行います。
両足ともにバランスを崩さず
楽に立てることが重要。
この動作は
筋力トレーニングとしても有効です。
立てない場合は、
テーブルに手をついて行いましょう。
靴下を片足で履く動作も有効です。
(中島)「五本指(靴下)やから
滞空時間が長いんです。
でもトレーニングとしてはいいな!」
▲どうにか立ち上がることができた中島さん
ゲストコーナー終了後も真剣に繰り返していました
中島さんのように
運動がキライな人でも
取り組みやすい方法は――
(中野)「だまされたと思って
3か月間、エレベーター、
エスカレーターを使わないで
生活してください」
階段を使い続けて
3か月後に計測すると多くの場合
筋肉量がアップしているそうです。
体が楽になることで
「運動しよう」という気になります。
(中島)「僕も体が軽くなれば
歩く気にはなるもん。
比例するんやろね」
階段を利用する際の目安は
「最低でも4階」です。
(小尾)「このスタジオ9階なので
中島さん、一緒にやりましょうよ」
(中島)「一週間に一回やったら
ええけどね」
(中野)「(9階は)ちょうどいいですよ」
▲曲の間も 中野さんへ熱心に質問を繰り返していました
■ 中野ジェームズ修一さんの本 ■
■著書『青トレ』
青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ
(原 晋監督との共著)
(徳間書店/1,400円+税/2015年9月発売)
詳しくは こちら
中野ジェームズ修一さんの
最新情報は
スポーツモチベーションのウェブサイトを
ご覧ください。