この日のゲストは
文筆家で、雑誌「暮しの手帖」前編集長、
現在は料理サイト「クックパッド」で活躍中の
松浦弥太郎さん。
松浦さんは18歳で単身渡米し
アメリカの書店文化に惹かれ、帰国後、
古書店やトラックによる移動書店を開業。
2002年、東京・中目黒に
「COW BOOKS」をオープン。
2006年には『暮しの手帖』編集長に就任。
そして今年4月
料理レシピサイト『クックパッド』に入社され、
新たなビジネスに取り組んでいらっしゃいます。
同じく4月には最新の著書
『正直』(河出書房新社)が発売されました。
■ アメリカの書店文化に衝撃 ■
アメリカに憧れた松浦弥太郎さんは渡米後、
"主人の好みで
一軒一軒 品揃えが異なる"
"ソファ、イスがあり、一日中いられる"
アメリカの書店にカルチャーショックを受けました。
そして帰国後、
自身の体験を周囲に話せば"共感"され、
アメリカの本を紹介すれば
「買ってきてほしい」と頼まれるように。
「もっとみんなに喜んでもらいたい」と
自分ができることを発見した松浦さんは
再渡米した際に
様々な書店を見て回ったそうです。
(松浦)「それが『本屋もどき』の始まり」
(中島)「情報が少ない時代に
松浦さん自身が"メディア"となって
行き来をしていたということですね」
■ 歩く本屋 ■
ファッションデザイナーやフォトグラファー、
グラフィックデザイナーといった人たちに
"こういう本を見せたら喜ぶだろう"と
思いを巡らせながらアメリカで集めた本を
電話や手紙で
「買っていただけませんか?」と
コツコツ売り込む日々が続きました。
(中島)「自分自身が選んだ"アメリカ型"の
本屋になっていってたんですね」
(松浦)「重たいカバンを肩にかけて
歩いてました。歩く本屋(笑)」
■ 『もっと喜んでもらいたい』 ■
海外では、一冊の本が目に留まれば
色々な人の顔を思い浮かんだそうです。
(松浦)「これを見たら、この人と この人が
好きだろうな、と思って」
■ インターネットの可能性 ■
松浦弥太郎さんは先月(2015年4月)
料理レシピサイト「クックパッド」に転身。
"紙"の本の世界から
Web業界の道を進んだわけは・・・
暮らしの中で、常に新しいものが生まれる
「"インターネット"をやりたかった」ことが
大きいそうです。
49歳になった松浦さんは、
暮らしに身近なインターネットの世界に
なぜ自分はいないのか――と考えました。
(松浦)「自分がどういうことができるのか
10代でアメリカに行ったのと同じで
行ってみて、何があるか見つけたい」
(中島)「世の中の真ん中にあるところに
入っていきたいという感覚は
共感できますね」
(松浦)「たとえば"ライブ"でも
僕は一番前にいたいんです。
"一番前"で何を見て何を感じるか
ということにワクワクする」
新たな感動が生まれる場として
"インターネット"に
大きな可能性を感じているという松浦さん。
(松浦)「できれば僕は
一番前の席で"そこ"にいたい
というだけの話(笑)」
放送では、
「自分がやったことのないことをやるのが大好き」
と語る松浦さんが
編集長未経験でありながら
『暮しの手帖』編集長に就任したエピソードや
その後、歴史ある老舗雑誌の"原型を
磨き直した"取り組みなどについても伺いました。
■ 松浦弥太郎さんの最新の著書 ■
■『正直』
(河出書房新社/1,300円+税/2015年4月発売)
詳しくは こちら