今朝のゲストは、佐賀県太良町の柑橘農家、早津みかん園オーナーの早津昌俊さんです。現地とオンラインをつないで画面越しにあいさつを交わし合いましたが、早津さんの背景に見えているのが、とても素敵な木造のお部屋。気になった根本さんが聞いてみたところ、なんと、早津さんご自身が10年近くかけてコツコツと手づくりしたログハウスだということでした。みかん園の高台に建っているとのこと。その様子を想像すると、こんな暑い日ですが、爽やかな風が吹き抜けたような気がしました。
早津さんは、自らを「みかんバカ」だとおっしゃるほどに、みかんの魅力に夢中。HPにも「全てはみかんに教わった」という言葉が20代で出会った「師匠」の「人は健康、樹は健全」という言葉とともに掲げられています。
なぜ、それほどまでにみかんに夢中になったのか? それは、みかんが深くて広くて器が大きい、不思議な木の実だからです。なにしろ、みかんには「種」がありません。つまり、次世代を増やしていくには人の手による接ぎ木が必要なのです。「ある日突然、種のないみかんができた。それをおいしいと思って増やしたいと願った先人たちの知恵が凝縮されて今がある」と、早津さん。ある意味関わる人の「手」によって運命が決まるみかん、その収量は作る人によって5倍もの差がつくことがあるそうです。「そんな話は他の果樹では聞いたことがない」と、そこにもみかんの器の大きさを感じたという早津さん。「人生をかけて、追求したい。極められるものなら極めてみたい」と静かな口調で熱い想いを何度も繰り返しておられました。
早津みかん園の大人気商品のひとつ「おひさまおれんじ」は、そんな早津さんの情熱から生まれた商品です。果皮がトマトや柿みたいにツルツルなのが特徴というこのみかんは、かつては日本中で栽培されていましたが、作りづらいという理由でどんどん減り、今も作っているのは早津さんを含めて数名のみという貴重なものです。「農業は厳しいけれど、その中で自分なりに楽しむこともできる。何歳になっても努力・挑戦ができるのが農業だと思います」という早津さんの夢は、現在最高齢の60年のみかんの木が100年になるまでみかん栽培を続けること。「あと40年、がんばってみたい」という言葉に、真摯にがんばり続ける姿勢を学びました。早津さん、素敵なお話しをありがとうございました!