日本全国に緊急事態宣言が出ている中で、農家の現場にいるみなさんがどんなことに悩み、何を想い、どんな決断をして行動されているのか?先週に引き続き、関東近郊の生産者さんにお電話をつないでお話を伺いました。
今朝は、埼玉県秩父郡小鹿野町にある吉田牧場の吉田恭寛さんです。吉田牧場は恭寛さんのおじいさまが始められたので、今で3代目。
都市近郊にある牧場として糞尿を畑の堆肥に使うなど「耕畜連携」に取り組んでおられます。現在育てているのは、牛乳をしぼるための搾乳牛が約70頭、やがて食肉になる肥育牛が約50頭。
ここでしぼられる牛乳は、ほとんどが近隣の子どもたちの学校給食として提供されているそうです。「‥ということは、学校が休校になって、その牛乳はどうなってるんですか?」と心配する根本さん。
新聞などでも「給食のための牛乳が余っている」という記事を見かけますよね。ところが、「酪農の現場には、今のところそれほどの混乱はありません」と、吉田さん。(「安心しました!」と根本さん)
というのは、牧場でしぼられた牛乳は、いったん農協のような役割を持つ組合が預かった上で使い道に応じて上手に振り分けてくれるシステムになっているからです。
ただ、乳業メーカーさんなどは学校給食専用に加工しているところもあり、深刻な状況に直面しているケースもあるそうです。
また、「牛肉」の方でも大変な事態が起こっています。「和牛」が余って、値崩れが起きているのです。東京オリンピックの延期が決まり、海外からの観光客も激減。
数年前からインバウンドの需要を見越して育ててきた「牛肉」が行き場を失っています。マーケットでの牛肉相場が下がると、牧場間で取引をする肥育牛の価格も下がり、酪農家にとっては収入減につながります。
「50年前に比べると牧場の90%が廃業しました」と吉田さん。「残った10%が日本の牛乳を支えています。
今と同じようにこれからもずっと牛乳を飲み続けるために、消費者の方にも買い支えるという意識をもっていただけると嬉しい」というメッセージ、
「アグリのじかん」スタッフもしっかりと受け止めました!広く、熱く、伝えていきたいと思います。