今朝のゲストは日本経済新聞編集委員の吉田忠則さん。お電話でご出演いただきました。
吉田さんは記者歴30年超えという大ベテラン。様々なジャンルの取材を担当されてきましたが、比較的長かったのは金融機関、また、霞が関の省庁を担当された時期もあるそうです。
10年ほど前に日経新聞で農業に関する特集を組むことになった際に、「どうしてもやりたい!」と手を挙げて農業を担当することになったとのことですが、その理由は「広い空の下、広い田畑に出て取材がしたかったから」。
「田畑にいると、心が洗われる」という吉田さんは、精力的にたくさんの取材を重ねられて、現在までに農業に関する4冊の本を出版されています。
今年の一月に出た最新刊のタイトルは「逆転の農業」。根本さんが、このタイトルの意味が気になって聞いてみたところ......、
「最近、顔の見える野菜というのがありますよね」と、吉田さん。みなさんもスーパーなどの野菜売り場でご覧になったことがあるでしょうか。
生産者さんの笑顔の写真や産地などのシールが貼られていて、なんとなく親近感がわいて、つい選んで買うという方も多く人気が高いようです。
この現象は吉田さんいわく「裏返すと、消費者と生産者の距離があまりに広がってしまった」ことを端的に表しているとのこと。
毎日食べる、生活に欠かせないものなのに、誰が作ったのかを普段はほとんど意識することのない現代社会。
「世の中の人の農業への理解もずれてしまっているのではないか?」----取材を通じて感じた吉田さんのそんな思いが「逆転の」というタイトルには込められています。
「農家は、一人ひとりが経営者。それぞれの哲学がある」。取材の中でその実感を深めていったという吉田さん。決して自分ではコントロールできない自然を相手に、思い通りにはいかない中でいかに農業を経営していくか。たった一つの正解があるわけではなく、それぞれの経営者がご自身の哲学から答えを導き出している。「素敵だな、と思います」という吉田さんの素直な感想がまた、とても素敵でした。来週のお話しも楽しみですね!