今朝のゲストは先週に引き続きタケイファーム代表の武井敏信さん。ご本人いわく「人生をあきらめて」入った農業の世界でしたが、その後、武井さんのつくる野菜は多くの一流シェフから愛され、絶大なる信頼を寄せられていきます。その軌跡を少したどってみましょう。
現在は、つくる野菜の95%をレストラン(シェフ)に直接卸しているという武井さんですが、始まりはヤフーオークションに出した「野菜セット」でした。
「親の農業を手伝っていたとき、空いた時間に空いた畑でいろいろな野菜を育てて、それをセットにして出すと好評だったんです」。この頃に参考にしたのは『家庭菜園大百科』だというから驚きです。
「ちゃんと習ったことはなくて、独学です。だから、発想も人とは違うのかもしれませんね」武井さんの発想のユニークさを表すエピソードとして、たとえば「10cmの小松菜」があります。
「あるとき、出荷する野菜が足りなくて、畑にあった10センチの小松菜をシェフに送ってみたんです」。
クレームも覚悟していましたが、実はこれが歓迎されて、翌週に11センチのものを送ったら「大きすぎる」と言われたそうです(笑)。
「いわゆる規格サイズにこだわる必要はない」ことがわかり、今ではシェフから「こういう料理(お皿)に使いたい」といった相談を受けて、出荷時のサイズを決めているそうです。
日本最大級の広さを誇るアーティーチョーク畑は、「どうせ農業をやるならなにかで一番になりたい」という想いから始まりました。
5月中旬からわずか3週間ほどが旬だというアーティーチョークはヨーロッパで修行をしたシェフにとっては馴染み深い野菜ですが、日本の一般家庭にはあまり普及していません。
武井さんの農場ではアーティーチョーク狩り体験を楽しみ、さばき方や調理方法を学べるイベントも企画されています。(「私も行きたい!」と、根本さん)
2年前から武井さんが始めた「千葉ファーマーズ新年会」には生産者やシェフはもちろん、メディアや「未来の農家さん」も集い、互いに交流を深めています。これからは「伝える」ことをやっていきたいという武井さん。
そのひとつとして、マイナビ農業のサイトでコラムの連載も始まっています。ぜひチェックしてみてくださいね。