今回のゲストは「東京農村」という、東京の農業が体感できるコミュニティを仲間とともに立ち上げた、国分寺中村農園の中村克之さんです。
まずは気になるこの言葉、「東京農村」って何なんでしょう?根本さんの質問に「ひとことで言うと、東京の農業を発信する基地です」と、中村さん。
「東京」の「農業」?普段はあまりなじみのない言葉の組み合わせですが、実は、東京都下には実は一万戸以上の農家さんがいらっしゃいます。
「東京で農業がおこなわれていることを、都心に住む人たちは知らないでいる。そんな方たちに、まずは知ってもらって、東京の農産物を食べてもらいたいという想いがあります」
そう語る中村さんも、もともとはIT企業のサラリーマン。脱サラをして農業の世界に飛び込みました。「娘が5歳くらいのときに、畑のきゅうりをもいで食べて『おじいちゃんのきゅうり、最高!』と喜んだんです。
それまではほとんど農業に興味がなかったのですが、その瞬間に、自分が作ったものを食べて喜んでもらえるのはなんて幸せなことだろうと感じたんです」。
そんなふうに飛び込んだ農業の世界。喜びももちろんありましたが、行き詰まることもあったと中村さんは当時を振り返ります。そのとき、その壁を取り払ってくれたのが、地元・国分寺の仲間たちでした。
「国分寺はカフェ文化が盛んで、地域通貨『ぶんじ』が飲食店間で流通していました。ある時、その輪に『農家も入らないか』と声をかけてもらったんです」。
そのおかげで普段の生活圏では出会うことのない異業種の人たちと接することが増えて、東京の農家の価値を改めて再発見することができました。
赤坂見附駅から徒歩2分という都会のど真ん中に「東京農村」はあります。5階建てのビルは1階から3階が飲食店で、どの店でも東京の野菜を食べることができます。
4階はシェアオフィス。食や農関連のベンチャー企業が使用しています。5階にはシェアキッチンと植物工場。まるごと「東京×農業」の基地なのです!
丸一年が過ぎて2年目を迎えた「東京農村」。「種まきは済んだので、そろそろ新しい発想をカタチにして、飛躍したい」という中村さん。
どんな未来が待っているのかを期待しつつ、「まずは、東京農村に行ってみます!」とワクワク顔の根本さんでした。